アテンド 〜ミラノからピエモンテへ〜


御無沙汰です。
夏期出稼ぎ!?が終わり、自宅へ帰って来たのも束の間10月後半「ピエモンテ南部がもっと知りたい」との依頼がありアテンドへ。
調理師学校時代の友人が家族と共に来伊、無事に終わりホッとしているとこです。

フレッチャロッサにてミラノ入りし、リナーテ空港へお出迎え。
久々のミラノ。来年5月のEXPOに向け急ピッチで改修、改築工事が進められていましたが、それにしてもミラノってこんなに空気汚染激しかったっけ???
ミラノ在住伊人、日本人両者共から肺炎によくかかると聞きますが妙に納得してしまったり・・・・。


余談はさておき・・・・ミラノのシンボルでもあるドゥオーモ内の厳格な空間や細かな装飾が見事なステンドグラスに目を見張ったり、屋上に上がり天に突き刺すような尖塔を間近で見物、この界隈ご当地B級グルメのルイーニの「揚げピザ」パンツェロッティを頬張りながら颯爽と歩く街行く人々を眺めたり、ガレリアのアーケード内カフェにてカフェシャケラート(アイスコーヒー)飲みながら寛いだり、買い物したり定刻時間迄各々楽しみ中央駅へと!


ミラノ中央駅からフレッチャロッサに乗り込み、事前ネット購入でビジネスクラスも格安ゲット。広々した座席にウェルカムドリンクサービス付き。
スパークリングワインは「ベルルッキ」で。
スパークリングで喉を潤し、何処までも続くピエモンテの田園風景車窓より眺めながら1時間程でトリノへ到着。


トリノではポー川右岸の閑静な住宅街に佇む宿を取り、晴天で空気も澄み切っていたのでサンタ・マリア・アル モンテ教会のあるカプチーニの丘からトリノ市街とアルプス連峰を一望。(写真上)
写真には掲載しきれてないが、左(南部)にはポー川の源流モンヴィーゾ山(3841m)も!
でもモンヴィーゾ山はクネオ県側から見る方が威厳でいかにも「岩の王様」らしい。
兎に角ここからトリノを眺めて街散策に繰り出すのも面白いですよ!


トリノ滞在の目的は2年に一度の食の祭典「サローネ・デル・グスト」へ。
御一行の知人料理長が日本から遥々来伊され世界遺産認定を受けた「和食」文化を広める為出店、「イタリアでばったり」のサプライズで応援しに行きたかったという想いも有りでの入場。
それにしても今年も子供達の学校行事の一環として「食育」での来場が非常に多く、物心が付く頃から食材が出来上がる迄の肯定、生産者達との交流、食材を見極める力を育てる事を学校教育で実践しているのは、本当に感心させらてしまう・・・。

Vol.2へつづく・・・・。

アスティ秋祭り DOUJA D’OR

食欲の秋~、此処ピエモンテ州では美食の宝庫、クネオ県&アスティ県が際立って様々な催し事を開催しています。
8月末には、世界でもトップクオリティーのヘーゼルナッツの産地、コルテミーリア市(クネオ県とリグーリア州サヴォーナ県に跨るボルミダ渓谷に位置する) において、収穫されローストされたばかりのへーゼルナッツ祭りが、歴史ある伝統産物及びその品質の高さから今夏にギネス認定されたコルテミーリア産ヘーゼルナッツ。
今年の収穫祭は多いに賑わいを見せていました。

そして9月は州都トリノより南東45Kmにある、アスティ市がお祭り騒ぎ。
9月中旬10日間 (2014年は9月12日~21日)、ワインの祭典DOUJA D’OR (ドゥーヤ ドール)、9月第2週日曜はアスティ県内各市町村による伝統料理の宴、第3週目はスタンドの大観衆が沸くパリオ。
アスティ市民の憩いの場、パリオ広場を中心に毎年恒例の秋の大イベント。


アスティ商工会議所主催の元、アスティ発祥のイタリアワインテイスター協会ONAVの鑑定士らによりティスティングされた、評価100点満点中90ポイント以上を獲得した「オスカー賞」を授与したワインの数々のお披露目と、惜しくも授与は逃したもののONAV鑑定士らにより厳選された全国各地のワインも試飲可能なこのワインの祭典、DOUJA D’OR。
(入場料無料、試飲各有料)

写真の立て看板にも記されているDOUJA D’ORのシンボル「水差し」は、もはやトリノチョコの象徴とも言えるGIANDUJA(ジャンドゥーヤ)に因んだもの。
DUJA(ドゥーヤ)とは、18世紀喜劇の仮面役者の一人で、お腹が出っ張り小太りで滑稽なピエモンテ人のこと。
そのモデルともなった人物が、アスティのカリアネット村の鋭敏で抜け目ない農民、GIOANN DLA DOJAだとの謂れ。
彼は村のオステリアで水差しで提供されるワインばかり飲み酔っ払っていたことから、彼の名を短縮して、GIANDUJA(ジャーンドゥーヤ)と村人から呼ばれていたのだそう。

ジャーンドゥーヤの金賞を意味するこのワインの祭典、DOUJA D’OR。
300年を経てこんな形で名前を使われるなんて、よっぽどの大酒飲みだったのでしょう・・・・あんな時代に今のように少しづつ利き酒をして味わうなんて事なかっただろうから。


上記の煉瓦造りの建築物がワイン祭りの会場。
第2週目の日曜日は、先ほど記したカンポ広場での伝統料理の屋台も出店、
今夏めでたく世界遺産にも登録された地域、ニッツァ・モンフェラートを中心に造られている黒葡萄がアスティ近郊を代表する赤ワインであり、そんな地酒も屋台で安価で飲めたりするので若者はほろ酔いで、地べたに座った光景なんかも見れ、ビジネス交流目的のワイン見本市とは一線を引き「ワイン祭り」と呼ぶのが相応しい・・・。

地種バルベーラの試飲や、発泡酒アスティスプマンテの試飲は18時以降にオープン、真夜中12時まで続くので、ワイン試飲目的の方は昼過ぎアスティ入り、DOUJA D’OR
厳選ワイン楽しまれた後、夕刻より地元産ワインの試飲へというのが時間も有効に使え楽しめることでしょう。
駅近郊で開催されているので、駅周辺の宿の予約をおすすめします。

つづく・・・・・・・


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渓谷、帰宅


お久しぶりの更新です!夏季労働終了し、ピエモンテ州南部にある自宅へ戻り何とか落ち着いたところです。

夏季限定オープンしている海の家のレストランは、無休営業・・・・ひたすら働いていたので、プライベートな時間が全くもてませんでしたが、きらきらと眩く輝くコート・ダ・ジュールに続く海岸、夏の日差しに対抗するかのように咲き誇る目の覚めるような鮮やかなブーケンビリア、そんな海岸線沿いのアウレリア街道を車を走らせながらの通勤、久々のリビエラ、時間の余裕はなかったものの、十分満喫してきましたよ。

残念なことに今夏イタリア、特に北イタリアは冷夏で例を見ないほどの異常気象、悪天候に見舞われたので、例年のように毎日毎日澄み切った快晴とはいきませんでしたが・・・・。

食材を扱いながら嬉しく誇らしく思ったのは、市場でも近郊のスターシェフ達も挙ってクネオ県産の野菜や果物、チーズを販売しに来る農家の人たちをまぁ心待ちにしてたこと、してたこと!
リグーリア州も十分野菜美味しいのだけれど、土地が狭いので農作物の量も種類も限られてしまうのは仕方ない・・・・。

クネオ県ページオ渓谷へ帰宅し、さっそく農家さんの野菜を求め市場に、馴染みの肉屋へ顔出しに・・・・地元産「キロメートル・ゼロ」、改めてその美味しさに感激!少しの期間でしたが離れてみて地元の良質な食材を再認識、青々と茂る木々、美味しい空気、久々の森林浴。



散歩がてら我が家上流の湧き水もさっそく汲みに!家の水道水も十分美味しいのですが、湧き水はやはり清水、汲みながら心身浄化されているのがひしひしと感じられ、気分爽快!
料理の原点は美味しい水から・・・・ですものね。
此処はピエモンテ州きっての自然公園内、週末はトレッキングやピクニックをする家族連れで賑わう為、湧水汲みは混み合い、冬雪深くなると湧水手前の道から通行止めになってしまう為あともう少しの期間楽しめる湧き水。


私の好物のひとつ、地元の馴染みの肉屋さんの自家製豚肉加工品、スペック。
スペックといえば古くからチロル地方で造られてきた豚肉加工品、ドイツ語で豚の脂身、ベーコンを意味し、イタリアではアルト・アディジェ地方のものが有名ですが、ここの肉屋の自家製スペックは、塩味もマイルド、乾燥、熟成期間を短くしてあるため、柔らかくジューシー。
とはいっても加工品、健康上頻繁には食卓には出せませんが、やっぱり好物は好物な地元産のひとつ。

それから写真奥の、コロンとしたフレッシュチーズは、カプリーノ。
イタリア語が分かる方は、カプリーノ?カープラ=山羊乳チーズと連想されるでしょう。
濃厚で程よい酸味のある山羊乳から作られるフレッシュチーズの味わいと似ていることから名付けられたカプリーノですが、100%乳牛で作られたもの。
食後のチーズとしデリケートさが気に入ってる、これまた地元産の好物のひとつ。


昨日はカウベルの音が、山中に響き渡っていました。夏季高山地で過ごしていた牛達が一斉に下山してきたので、物凄いガラン、ゴロンという音色。
勿論道路は牛優先だから我が家横の道も珍しく渋滞、この光景を目にすると、夏が完全に終わったんだな~と実感してきます。
そう、これからは食欲の、収穫の秋、各地でさまざまな食やワインのイベントが開催される季節ですね!

では、チャオ!

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森林浴日和


ご無沙汰しています。元気で過ごしていますが、4月は目まぐるしく行事をこなしており、やっと一段落し気づけば自宅の周りはすっかり新緑の季節を迎え、晴天の今日、久々の散策。

4月初旬はヴェローナでのワイン見本市「ヴィニタリー」へ、その後はランゲ地方のワイナリー巡り、毎週行われているワイン講義、それからHACCP(ハサップ=日本語表記は危害要因必須管理点)の、講習受講、更新テスト、5月から働く店とのメニュー構成等ミーティング・・・・。

普段ブログ上では愚痴ったりしない私ですが、さすがに今月はイタリア語フル回転で、へとへとでした。外国語で生活する、受講するのは時間と労力を消耗するのを改めて実感した月でもありました。

イタリアの飲食店での勤務を含め、食品を取り扱う職種に就いている人は、必ずこのHACCPの資格取得しなければいけません。私がイタリアで働きだした頃は経営者が所持していれば良かった資格ですが、ここ数年従業員も義務的になり、5年毎の更新(自治体により異なる)が必要となりました。

気づけばあっという間に4月下旬、我が家を取り囲む森林は新緑が素晴らしく、特にアロマの多い白や赤ワインに多く含まれる「草や野草」の香りの宝庫。

BOSCO(森林)、FELCE(シダ)、FIENO(干草)、FOGLIE SECCHE(乾いた枯葉)、MUSCHIO(麝香)、それからPINO(松)、VIOLA(スミレ)などなど、いろんな香りが漂い、嗅覚が鍛えられます。

とにかく日頃から自然のある場所へ行き、花や草などの香りを利き、嗅覚を鍛え多彩な表現力をつけておくように・・・・とイタリアのワイン専門家達から悉く言われ続けるので、どうしても立ち止まり香りを嗅いで分析する事が身についてしまいましたが、ソムリエという仕事に従事している人には本当にお勧めの訓練法ですよ。

久々に思いっきり運動も出来、リフレッシュ完了!!!!




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新入りで葡萄畑へドライブ


新入りです!コツコツと貯めたイタリアの貯金から自分名義で車を買いました!
だだっ広いピエモンテ州ではどこに行くのも車があった方が便利で、空いている時に家族の車を使うのも相当不便な面もあったので・・・・。
ここ最近は車の選り好み、車検、納車手続きとなんやかんやしてました。
車種はCHEVROLET  AVEO (シャブロレ アヴェオ)、日本ではシボレーのソニックという名称になるそうですね。
ヨーロッパのコンパクトカーの代表格、フィアットやランチャ、シトロエンに目星を付けていたのですが・・・・ここ最近ヨーロッパ小型車はボディーを頑丈にするために、フロント、サイドガラスを小さくしてあり、長身の人にはかなり不便。
190cm程ある夫が座ってみると、フロントガラスより目線が上になりとっても運転しづらい車種ばかり。
私はどれも快適だったのですが、雪深いピエモンテでは安全性を考慮し、冬に4駆と交換してもらえる方がいいので、夫が快適に乗車出来る車の選択をせまられました。

それから、一番重要な事は車の維持費!
燃料費、ガソリン代がたっかいんですよ~イタリアは・・・・・。
ちょくちょくお隣の国へ車で行くので、ガソリンを補充しては金額の違いに驚きを隠せず、毎回ショックを受けイタリアへ入国。
日本へ帰った時も比較してしまうのは勿論、先月の南仏では1.5€/ℓ、去年のオーストリアでは1.4€/ℓ、現在のピエモンテは、1.7€/ℓ、リグーリアでは1・8€/ℓ、南イタリアへ行くともっと高くなると聞きます。
その燃料費を抑えるのと、CO2排出量を少なくし、環境汚染を防ごうという目的で、イタリアではGPL(液化石油ガス)付きの車の普及が盛んになっています。
エコカー普及促進策に力を入れているピエモンテ州では、2010年度以降のGPL車は、自動車保有税が免税になります。
この車税は各州の自治体で取り決められるので、ピエモンテ州の規定はこのようになり、GPLのスタンドも他の州に比べ多いのだそう。
シボレーはGPL対応の生産車の取り扱いも多く、近所にも信頼出来るシボレー専門の整備会社もあるので、家族の乗り心地、条件を考えた結果、この車に辿りつきました。

イタリアの車検の規定は20000km走行毎、大抵の人、ヨーロッパの他の国もそうでしょうが、乗って乗って、メンテンスしながら300000kmくらいまで走って、お疲れ様~と廃車にするので、この車とは長い付き合いになりそうです。大事に使おう。

そして試乗ドライブは、葡萄の剪定真っ只中の、ランゲ丘陵地へ。
自宅から片道40km弱の南ランゲ丘陵地、今回はバローロ村より東側のセッラルンガの辺りをくねくねと、それからバローロ村でUターン。


セッラルンガ・ダルバ村より (写真上下)


バローロ村より(写真上下)



ランゲ丘陵地葡萄畑の剪定はほぼGUYOT(グヨー)式。
一本の枝を残しそれを折り曲げ、その年の葡萄を実らせる仕立て方で、樹形を見極め剪定、一枝、一枝巻きつける地道で根気のいる作業ですが、葡萄の生育の重要な時季。
剪定後(写真上)、剪定前(写真下)。



美味しいワインは、愛情こめて育てた葡萄畑から!2013年ピエモンテ南部、ランゲ丘陵地の収穫時葡萄のコンディションは最良でした!今年もどうかBACCO(バッカス:ローマ神話のワインの神様)に見守ってもらえますように~。

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本日快晴


今日は久々に太陽を拝めました。
先週の水曜日からの悪天候。毎日天気予報を見てはうんざりしていました。
9日間陽光が部屋に差し込まないなんて、今朝窓を開けた瞬間飛び跳ねてしまい、コーヒーを慌てて飲み干し、深呼吸しに家の外へ。
空気が澄み切ってて気持ちいい!
ふわふわの雪の上を歩くとサクサク砂糖の中に埋もれるかのよう、光が差し込んでいるところはキラキラと真っ白に輝き、粉砕されたダイアモンドが散りばめられたかのように眩しく幻想的。
自然にいかされる自分である事に気づく瞬間。
ここは保護していくべき地域に認定されている自然公園内、豊かな食材に恵まれ、美味しいお水は何時でも飲めるのですもの。




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初夏のランゲ丘陵地


自宅から50km圏内に広がるランゲ丘陵地の葡萄畑。

久々に一人ドライブ。

アルバ市を境に南はバローロの生産地域、北はバルバレスコの生産地域。

アルバ以南に点在する小さな村々と葡萄畑の散策が好きなのだけど、週末の今季は、ツーリングのバイクや自転車に道路は占領されてるし、太陽はジリジリと焼けつくような暑さ・・・・一面に色づいた晩秋の葡萄畑のドライブがやっぱり最適かつ快適かもなんて心の中で呟いてみたりしながらのらりくらりと車を走らせる。

まぁそんな些細なことも高台にあるこの村、LA MORRA(ラ・モッラ)から一望できるランゲ丘陵地を見渡すと瞬時に癒しモードへと変わる。

展望台のある広場の木陰のベンチで、皆思い思いに過ごしているのはまさしくイタリアのスローライフな光景。


アルプス山脈もそうですが、このランゲ丘陵もアフリカプレートとユーラシアプレートの衝突によって形成されたもの。

大昔は海底だったなんて、自然の神秘は無限大ですよね。

気の遠くなるような歳月をかけ造りあげられた、この景観美を次世代へと継承していきたい、自然遺産への恩恵は計り知れません。

我が故郷、瀬戸内の多島美や穏やかな海原も勿論素晴らしいですが、イタリアきってのワインの名譲地の風光明媚な緩やかに果てしなく続く丘陵地も何とも言えぬ光景で、写真では伝え切れないのが残念です。

LA MORRA村から下ると小さな盆地の葡萄畑に囲まれているのがバローロ村(写真上)。


葡萄畑に混じり点在する、へーゼルナッツの木々。

この界隈は、トンダ・ジェンティーレと呼ばれるイタリアで最高品質のへーゼルナッツの産地。

葡萄樹と共にすくすく元気に育っているようです。

このまま天候に恵まれ、実りの秋の収穫期を迎えられますように!

避暑地を求めて


今年はまったく気温が定まらない北西イタリア・・・・・。

こう気温差が激しいと衣装整理もなかなか落ち着きません・・・・が今日は清々しい夏日!

とともに我が家裏にもたくさんのお客さんがやって来ましたよ。


羊や山羊たちが避暑地へと移牧してきたのです。

ALPEGGIO(アルペッジョ)、標高600m~2500mのアルプス山間部で夏の間放牧する事又はその放牧する場所をこう呼びます。

牛は高地な1800m~2200m辺りで夏の間放牧され、そこで搾乳され造られたチーズのみが、ALPEGGIOと表記され、美味しい空気と野草を食べのびのび放牧された大自然が凝縮された美味しいチーズが出来上がるのです。

寒い冬が終わり、モコモコだった毛はすっきり刈られた羊たち、産まれたての子山羊は首をめいいっぱい伸ばし葉っぱを毟っています。

山羊は人懐っこくて近寄ってくるんだけど、臆病者の羊は相変わらずそっぽを向いて若葉をひたすら選り好み。

囲まれているネットには微量の電流が流れているので、アルプス山岳地方でこのような光景に出くわしても、ネットには触れないようご注意を!

首に付けられたカウベルがカランコロンと鳴り響き、それらに合わせるように野鳥の囀り、さわさわと揺れる葉擦れ音、清涼感ある新緑の香り、今季ならではのアルプス自然公園の情景。

この子たちが此処にやって来たって事は牛たちがもうそろそろアルプス山岳部へ向けて出発するって事!

今年も美味しいチーズ食べれますように!

トリノ自動車博物館


トリノの国立自動車博物館(Museo Nazionale dell’Automobile)、イタリア統一記念に因み2011年リニューアルオープンされて、いつかは見に行こうと思っていた博物館のひとつ。

イタリア自動車産業の先駆者のひとり、Carlo Biscavetti di Ruffia (カルロ・ビスカレッティ・ディ・ルッフィア)氏創設。

Macchina d’epoca (マッキナ・デーポカ=クラッシックカー)から、F1マシーン、エンジンが展示されていたり、車好きな方必見の博物館。

高い天井と広々としたエントランスホール、館内もシンプルモダンな空間で、展示品の見せ方やライトアップ具合、培われたイタリア人の感性は、参考になることも多々。

さてさて、車のことは全くもって語れない(←興味ないので・・・・) ワタクシですが、以前から行きたがっていた夫にほぼ強制的に連れて行かれ、足を踏み入れたのです。

クラッシックカーなんて映画の中や、何かのイベントで目の前を過ぎ去っていくものを見たことがある程度で、歴代の名だたる旧車が勢揃いしたのをマジマジと見てみれば・・・

レトロでとっても可愛い~

紹介しきれないほどの名車のオンパレードでしたが、私好みの乗ってみたいな~ってものばかり掲載してしまいました。

きっと男子には、もっとかっこいいスポーツカーのほうが、喜ばれたかもしれませんね・・・・・ごめんなさ~い。

勿論フェラーリや、ランボルギーニも数々展示されてましたよ!

さすがFIAT社のお膝元トリノ!これらを所蔵するのに相応しい場所。

博物館はポー川に面した大きな道路沿いにあり、ゆっくり寛げる開放感あふれるカフェも併設されているので、見学後ゆっくりされるのにいいかもしれませんね。

車好きには必見、車好きではなくても1世紀前のイタリアを垣間見ることができるので、トリノに来られた方は、是非立ち寄ってほしい博物館のひとつです。

オレンジ合戦 in イヴレア

今日は寒波到来!?というほど、北イタリア凍りつくような寒さに見舞われ、

朝からしんしんと雪が降り続いているピエモンテ。

滅多に積もることないリビエラ海岸線(リグーリア州)、とくに西側がひどくて、

ジェノヴァ~サヴォーナ間の高速道路も雪の為閉鎖。

昨日から床冷えする寒さはこれだったのね・・・・。

でも私は行ってきましたよ~、日曜日念願のオレンジ合戦を観戦しに

トリノから北へ50kmほど行った町イヴレアにて毎年催されているカーニヴァル。

馬車に乗った領主の衛兵と、その周りを取り囲んだ民衆に扮した人々が激しくオレンジを

投げ合う、他に類を見ない独創的な雰囲気を特徴としているもの。

もともとの由来は・・・・中世の領主が課す重税や圧政にひどく苦しめられ、それに加え、

結婚初夜は花婿ではなく領主と過ごすべしという掟も作り、独裁者とし好き放題、

ある夜、粉ひき屋の娘(ムニャイア)、ヴィオレッタにその試練が降りかかり、

衛兵たちに無理やり領主の下へ連行されました。

極悪非道な領主に勇敢に立ち向かった、ムニャイア・ヴィオレッタは彼の首を切り落とし、

それを城から町の民衆に見せたことから、城は瞬く間に民衆に攻め落とされたのだそうです。

「自由を勝ち取った」ムニャイアが、このカーニヴァルのヒロインで、

毎年ミセス・ムニャイアが選ばれ、オレンジ合戦開始前、広場で披露され

民衆から拍手喝采を浴び、合戦後に将軍たちを引き連れて、ミモザの花やキャンディーを

ばら撒きながら町を練り歩きます。

オレンジ投げ戦士は「アランチェーリ」と呼ばれています。

合戦前、正午過ぎごろから、荷馬車に乗った衛兵チームたちの登場。

ARANCERI CARRI DA GETTO(アランチェーリ・カッリ・ダ・ジェット)陣たち。



民衆チーム、ARANCERI A PIEDI (アランチェーリ・ア・ピエディ)もぞくぞくと自分たちの
陣地へ向かっています。


民衆は9つのチームに分かれ、陣地を守ります。

また、そのチーム名も・・・・PANTERA (黒ヒョウ)、SCORPIONE (さそり)、

DIAVOLO (悪魔)、MORTE (死者)などなど・・・・いかにもって感じのものばかりです。

合戦前、陣地へ向かう戦士、衛兵を待ち構えている様子は、なんだか、

サッカー観戦時の熱狂的なファン(ティフォージ)を見ているかのようでした。


広場の周りに山積みにされた、オレンジ箱の山々。

その後ろには防御用ネットがされていて、観衆は危険を逃れるため、

その中から観戦するのが無難。


カーニヴァルの伝統料理「白インゲン豆の煮込み」

「ファジョーリ・グラッシ」と呼ばれ、白インゲン豆と、

細かく切ったサラメッラ(豚肉ソーセージ)や豚の皮を大鍋で煮込んだもの。

カルネヴァーレの前日の夜に仕込まれ、当日朝から振舞われる。

時代は中世に遡り、地主たちが哀れみの意を込め、貴重な蛋白源の白いんげん豆を

配給していたところ、自尊心を傷つけられた民衆たちは、豆を投げつけ返したことが、

このオレンジ合戦の元祖なんだとか。

午後2時、ファンファーレが鳴り響き、ミセス・ムニャイアの登場です。



すっご~く、可愛らしいミセス・ムニャイアでした

義母も歴代のミセス・ムニャイアだそうで、この役に抜擢されたのが、とても光栄らしく、

最後まで成りきって、この祭りを盛り上げてくれてました。


護衛たちも、みんな凛々しく颯爽と馬に乗り、かっこいいですな~。


広場を埋め尽くしていた観衆も一斉に避難し、合戦の開始です

次から次へと広場にやってくる、荷馬車の衛兵チームたちを、オレンジでやっつけます。

荷馬車にも大量のオレンジが積み込まれているので、上から下から



観衆のところにもオレンジが転がってくるので、またそれを観衆達が面白がって投げ返しているので

四方八方どこから飛んでくるか分からなくて、近くに寄って写真を~なんて呑気な事

言ってられませんよぉ。

写真や映像で見る限り、ポコポコかわいらしく見えますが、男どもが本気で投げ合ってるので、

まともにくらうと相当いたそうです。

現に始めに待機していた場所が悪く、観衆にもまれてるうち、オレンジが飛んできて

腕にあたってしまい、まぁ・・・・けっこうな痛さでしたよぉ

衛兵チームたちは、なめし革で出来たフルフェースを着用。


戦い終えた戦士たち・・・・・。


砕け散ったオレンジの残骸・・・・・・・。


オレンジの爽やかな香り~に、ちょっと馬糞の臭いも混じり・・・・・何とも言えぬ芳香

辺りを漂っていた合戦後の広場。


「隷従から自由への解放」の象徴とされている赤い三角帽BERRETO FRIGIO (フリジア帽)を被った人たちでごった返し。

とにかく、この合戦には赤いものを被るか、身につけていないと戦士に狙われるとの

しきたりがあるので、町中が赤、赤、赤。



見ているほうは、ハラハラどきどき、エキサイティングだけど・・・・・

歴史と伝統を重んじ、子供から大人まで一丸となって祭りを盛り上げているのがひしひしと伝わってきます。

ピエモンテの面白さ、またひとつ発見できました。

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